臨床宗教師について

ゲンの言ノ葉

今回は私の職業である臨床宗教師についてお話ししたいと思います。

宗教師?初めて聞く人が多いと思います。平たく言うと、病院や施設でこころのケアを行う宗教者のこと。日本で病院に宗教者がいるのは非日常的ですが、欧米などではごく当たり前のようです。

“臨床宗教師”という言葉が本格的に使われ始めたのは、2011年の東北の震災からなので、日本ではまだまだ認知されている途中であります。

宗教師が病院の中で何をしているか。

時には宗教の勧誘と間違えられることがあります。そうではなく、唯々、患者さんやそのご家族の声に耳を傾け、じっくりと想いや悩みを聞かせていただきます。

その中で、想い・悩みが整理され、少しでも気持ちが和らげばと思っております。

「人生はみな思い通りにならない」と仏さまが言われるように、生きていれば悩みが伴ってきます。逆に言えば、悩みがあるからこそそれを“人生”と名付けることができるのではないかと思うのです。

現代の日本は無宗教とよく言われますが、私はそう思いません。なぜなら、日本は宗教が文化に根付いている国だからです。

自然と「おかげさま」「もったいない」といったような、宗教で重要とされる考え方をみなが知っています。

その生き方・考え方・精神に寄り添うのが本来の宗教者の役割。何気ない話や解決できない悩みまで、色んな想いを話していただけると有難いと思い活動しています。

今後、このような職種が病院や施設にも増えることを念じ、簡単ではありますが、臨床宗教師についてのお話とさせていただきます。

合掌

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